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2011年3月29日 (火)

石のスープ

「石のスープ」
奇妙なタイトルですが、最近ふと思い出したポルトガルの昔話。

とにもかくにも「生きのびる」が最優先だった段階から、
今の方が、復旧という未来への展望を持つのに困難な厳しい現実に直面しています。
心が折れそうになったり、殺伐とした気持ちになりがちな私たちに必要なのは、こういう頓智じゃないかしら・・と思っています。

ずっと昔、子供に読み聞かせていたころ、私の心にも深く入り込んで忘れられない内容でした。


これはマーシャ・ブラウン作の絵本で、タイトルが違いますが同じ内容です。
「せかいいちおいしいスープ」


Photo_3


あるところに、3人の兵隊さんが、見知らぬ道をとぼとぼ歩いておりました。
戦争が終わって、故郷へ帰る途中だったのです。
兵隊さんたちは、もう丸二日も、何も食べておりません。
くたくた、腹ペコの体で、ただひたすらとぼとぼ歩いていたのです。

すると、ある村にたどりつきました。
ここなら少しの食料を分けてもらって、納屋の隅にでも寝かせてもらえるかもしれません。
兵隊さんたちは頼んでみることにしました。

…ところが村の人たちにとっては、こんな兵隊さんは時々やってきますから、食料や寝床を分けるなんてまっぴらな話。
牛乳もキャベツも牛肉も、急いでかくしてしまって、「何もありませんよ。私たちも腹ペコなんです」とうそをついて断りました。
一軒一軒頼み歩いても、食料もダメ、寝床もダメと断られ、3人の兵隊さんは話しあいました。
そして村の人たちと一緒に石のスープを作ることにしたのです。

まず3人の兵隊さんは、村の人に一番大きなお鍋と、バケツに何杯もの水と、できるだけつるつるの石と塩と胡椒を持ってくるように頼みました。
村人たちは協力します。だって、石でスープができるなら、ぜひ覚えておきたいと思ったからです。

ぐつぐつといい具合に煮たってくると、兵隊さんは言いました。
「石のスープがおいしそうにできてきましたよ。これだけでも十分おいしいのですが、ここにニンジンがあれば、もっと美味しくなります」

するとニンジンを隠しておいたおかみさん、「あら、ニンジンの1本や2本ならどこかにあるかもしれないわ」
といって家に戻り、エプロンにどっさりとニンジンを包んで持ってきます。

Photo_2

ニンジンを入れながら、また兵隊さんは言いました。
「これだけでも十分おいしいですがここにキャベツがあれば…」
すると今度はまたキャベツを隠していた別の人が、家に飛んで帰り、たくさんのキャベツを抱えて持ってきました。

さらに兵隊さんは言います。
「ほんの少しの牛肉があれば、…」
「ほんの少しの牛乳と大麦があれば…」

そして出来上がったのは王様が召し上がるぐらいにおいしい、絶品の「石のスープ」だったのです。

村人たちは大喜び。だって石でスープを作る方法を教えてくれたのですから。
これから一生食料に困ることもないでしょう。
村人たちは兵隊さんたちに感謝して、村で一番いい寝床も用意してあげました。

・・・・・・・・・・・・・・・

このお話を聞くと、自分でも作ってみたくなってしまいます。
できるだけつるつるの石を探してみたりして・・

兵隊さんたちは、頓智のきいたやり方で自分たちの求める物を得ただけでなく、村のみんなも何かを得て笑顔になりました。


今、未曾有の大災害に見舞われた私たちにとって、
東電や政府に、
あるいは原子力を推進して来た人間達の責任を問うとか、
誰がこの混乱を招いたのか、問いつめたい衝動に駆られます。


でも、それよりも何よりも、「人として」失ってはいけない大切なことがあると思われてなりません。
今まで何を豊かさだと思ってきたのか、
それはこの体験を通しても価値の変わらないものだったのか、
それとも間違っていたのか、
もう一度自らの心に問い直したいと思います。


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コメント

hirochanさん〉ね!なかなか深い話でしょう?

こちらの状況は、支援物資はかなり行き渡ってきたようです。
自衛隊が運んで来たものを配布するのに、人手が足りないとボランティア組織の人が悲鳴をあげていました。

今、地元の人から欲しいと言われていたのは、
老人用のおむつ、赤ちゃん用のおむつ、
お尻ふき、生理用品などだそうです。

この話は初めて知りました。
いい話だね。人間の心理をついている!
敵対しないでうまく融合していく処世術。

こちら玉名では、水のペットボトル、未使用のタオルなどを
募集していました。これらを支援物資で送るのでしょう。
明日、少しだけどタオルを持っていこうと思ってます。
きのう、テレビ「金スマ」で、尾木ママという愛称で呼ばれている
教育評論家の尾木先生の紹介をやっていました。
オネエ言葉のいきさつは笑ってしまいました。
最後のほうで、名古屋女子大学付属の中学生か高校生に
道徳の授業をやっていましたが、今回の東北沖地震での出来事をどう捉えればよいのか、人間、生きる、命といったテーマで講義されていました。
こころの温かな人間にならなくては!と思わされました。

ぷ〜さん、いつもコメントありがとうございます。ブログも拝見しました。猫を飼ってらっしゃるんですね。

私も猫は大好きです。可愛いですよね〜。

献血おつかれさまでした。
気持ちだけでなく行動しようと思うひとがいることに、私も勇気づけられました。

こんにちわ。
素敵な物語ですね。考えます。
昨日献血に行ってきました。
被災地に多くの血が必要かも、そうなると首都圏では足りなくなるかもと思い。
一人が出来る事は限られていますが、それが大勢になれば。
今回の震災で人とはどうあるべきかまで考えるようになりました。
病猫抱えているので水は大切ですし・・・
都内のパニック状態もかなり落ち着き、行動を起こす人が増えているように感じます。
私達こそ頑張らなければです。

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